春を告げる祝い魚、さわらを食べよう

漢字で表すと「魚」偏に「春」。その名の通り、鰆(さわら)は春を告げる祝い魚として日本では古来より珍重されてきました。とくに西日本では冠婚葬祭の魚といえばさわらが定番。煮物や焼き物など、懐石料理にもつきものの魚です。

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「鰆」という漢字は当て字ですが、名前の由来はほっそりしたスマートな体形から。「狭い腹(さはら)の魚」の意から「さわら」と呼ばれるようになったといわれています。水分が多く、身がやわらかいのが特長。青魚と白身魚の長所を兼ね備えた上品な味わいと、うっすら桜色の身に日本人を古くから魅了してきました。

さわらの刺し身は皿までなめる旨さ!?

西日本で珍重されてきた高級魚ですが、とくに「さわらの値段は岡山で決まる」というほど岡山県では非常に好まれています。岡山では、さわらといえば刺し身が定番。「さわらの刺し身は皿までなめる」という言葉が生まれるほど、瀬戸内海で獲れた鮮度の高いさわらを手早くさばいた刺し身が庶民に愛されています。また、成長が早く半年で体長が50センチにもなる出世魚としても、さわら料理はおめでたい日に欠かせないごちそうでした。

さわら愛から生まれた岡山名物「ばら寿司」

岡山の郷土料理といえば、「ばら寿司」も有名。ばら寿司の歴史は古く、江戸時代に岡山藩主・池田光政が庶民に「一汁一菜」のお触れを出し、贅沢な食事を禁じたことがはじまり。さわらを愛する岡山人は、「それならばさわらと飯と野菜を混ぜ込んで一品にしよう!」という抜け道的アイディアから生まれたのがばら寿司。まさに、御上に禁じられようともどうしてもさわらを食べたいという庶民の“さわら愛”が編み出した伝統料理といえるでしょう。

ちなみに魚は一般的に頭側のほうがおいしいといわれますが、さわらに関してはしっぽ、尾の側のほうが美味。丸ごと一尾が手に入ったら、頭側としっぽ側の味の違いをぜひ確かめてみてくださいね。

参考文献:『からだにおいしい魚便利帳』 藤原昌高 高橋書店/『食彩の王国』 扶桑社

おすすめのレシピ

さわらの淡煮

野崎 洋光

180kcal / 30分
薄口しょうゆを使った淡い色の煮汁でサッと煮る、上品な煮魚です。魚は長く煮込むほど身が縮んでおいしさも失われるため、煮汁が沸騰したら火を止め、あとは余熱でふっくら仕上げましょう。
さわらの味噌風味焼き

亀田 保(かめきちパパ)

202kcal / 10分
淡白なさわらは味噌との相性抜群。今回は手軽な味噌風味焼きをご紹介!さわらに切り込みを入れて焼いたあと、味噌だれを流し入れて再び焼くのがポイント。香ばしい味噌の風味で、さわらのうまみがより際立ちます。
さわらの南蛮漬け

吉岡 英尋

493kcal / 30分
作りたての熱々はもちろん、冷蔵庫で冷やした次の日も味がなじんでおいしく食べられます。魚の余分な水分と生臭みを抜くために、最初に塩をふる下処理は忘れずに。
初めてでも簡単!サワラのかぶら蒸し

河野 雅子

240kcal / 20分
難しそうな「かぶら蒸し」ですが、作り方はとてもシンプル。短時間でできるのに、おもてなしにも映える上品な料理です。今回はサワラを使いますが、お好みの白身魚や海老、サーモンなどお好みの魚介でアレンジを。
ばら寿司

オカズデザイン

446kcal / 90分
岡山県の郷土料理、ばら寿司です。さわらを漬け込んだ酢で酢飯を作るのが特長で、やわらかなうまみが広がります。海の幸・山の幸をふんだんに使った彩り華やかな料理です。

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